製作工程

ソファの骨組み(木部編)

今回はあまり知られていない「ソファの構造:木部」にスポットを当てます。

昔のソファの骨組み作りの話

私は「昭和41年」今の会社に入社しました、20歳でした。

入社し、初めて「ソファ」の構造部分を見て、これがどの様に変化しながらソファに仕上がるのか、興味津々でした。

私がまず配属になった部門は「上張り」と言う「ソファ製造工程」の最後の「仕上げ工程」でした。

今ほど多くの工程に分けてなく、木工課・上張り課・鉄工課・塗装課の4部門でした。

当時、木部製作には5名~6名程の担当が居て、数台の木工加工機にて手際よく、「ソファの骨組み作り」が進んで行きます。

当時は「ブナ材」の原木から厚さ30㎜程にスライスされた「板材」を使用していました。
「ブナの木」は、強度面で粘りが有り、ソファの構造に適している事から主に使用していました、また当時としては安価な木材だったようです。

ブナ材は工場外の空き地に整然と積み上げられて、数か月を経て乾燥した後、使用する事を知ります。

家具の木材の含水率や種類について

木部は丸太から板状にスライスされても、すぐに使用できません、「含水率」が下がるまで使用できません(含水率=木材の中にどれだけの水分が有るか)

一般的に家を建てる時の「木材の含水率」は「20%~30%」でも使用していますが、家具の場合は「10%以内」が原則です。
含水率が高い材料を使用すると、いろいろ弊害が発生します、「歪み・割れ・縮み・反り」等木が変化します、これを無くす為、何カ月もかけて乾燥させます、大手企業などは「乾燥機」にて強制的に数日で乾燥させます。


※ブナの木は国内「九州から東北」まで広く分布していますが、近年は保護されている事が多くなりました、「ブナの木1本の保水力」=「水8トン」程度と言われ、ダムを造るよりブナの原生林を多く造る事が自然にとってベストと言います、山に降った雨が、腐葉土を通して海に流れます、「タップリの栄養水として」に海に流す事で、魚が喜ぶと言う「自然の還元」となります。


※ブナ材の表面・板目(年輪が見えにくく綺麗な表面)

近年ブナ材も価格が高騰し、更に、入手が困難になりつつ、他の素材に切り替える必要性が出てきました。
国内産は入手が困難ですが、「ヨーロッパビーチ」として白っぽい綺麗な材料が比較的多く輸入されます。

 

合板のメリット

ブナ材が入手困難に成りつつある事で、価格が高騰、加工時に発生する端材のムダが多い、など課題が多く有ります。

そこで目を付けたのが「合板」です。「合板」は「ブナ材」と比較しても「メリット」が多く、使い易い材料である事が分かって来ます。

先ず「入手が簡単、加工か簡単、加工ロスが少ない、強度が有る」などメリットが多く、大変重宝します。


※合板の構造

また近年、隣の「岐阜県」の山中に新しい「合板会社」が完成しました、主に「針葉樹」の合板を造る事を目的にした会社です。
岐阜県は森林が多く、間伐など盛んに行う事から、ここに建設したと言います。


※普通、国内の合板会社は殆ど港に近く、加工後船出し易い環境を選んでいるようです。
※岐阜県の山中にある新しい合板会社、工場の長さ200m程あるのかな。


※毎日運ばれてくる間伐材の山、殆どが「杉の木」、内、10%ほどがヒノキのようです。

弊社はこの会社で生産される「檜(ヒノキ)」100%の合板を使用しています。
檜は杉の木より丈夫で、虫が付き難い事でも有名、また弊社工場・木工課は檜の良い臭いが漂っています。

合板加工と木材加工の大きな違いとして端材発生(ロス)が極端に少ない。
板材は、まず両横の「耳」部分(木の表面の皮部分)はカットし、所定の厚みにスライス、更に長さをカットし使用部材のカット幅に切り落とす、これらで約30%~35%が捨てられて行きます。
原価計算上「約35%」を「ロス」として計算します。

それに対し「合板」は厚みを整える必要が無く、すぐに必要な幅にカット、長さのカットで部材が出来上がります、小さな残りの部分も「隅木・補強材」として使用可能になります。
従って合板の場合の「ロス」は約10%未満となり、有効活用の出来る「資材」と言えます。


※入荷した合板を加工前の準備作業


※合板を組み上げソファの構造完成

これから、「バネ付、ウレタンをセット」し、最終工程に移動します。

ソファをデザインした段階で、骨組み、バネの選定、ウレタンの形状を予め決め、すべて各工程別の図面を作成し、図面に沿って仕上げて行きます。

合板を主に使用するようになって、合板の欠点や利点を心得てより良い商品作りに邁進中です。

 

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