製作工程

【製作手順】コースター・マウスパッドはこうやってできる!

コースター・マウスパッドの製作手順

「革小物」は多種多様な商品が販売されていますが、弊社が手掛ける製品はソファ用の革を使用する事で比較的肉厚の有る様な商品を得意としています。(財布類やバック類の製作は今後の課題です)
今回紹介する商品は「コースター・マウスパット」について製作工程を説明いたします。

因みに、別記事で「ポーチ・ペンケース」についての製作工程も説明しています。

革の材質

コースターやマウスパットは硬めの革を使用します。
(革部位の説明)牛の皮には部位によりかなり硬さが異なります。
(下記の図は部位名を表記)
革の部位

日本の牛革は半分に割る

表記の図は牛1頭分を表していますが、日本国内では製造加工関係で1頭を背の中央にて半分に割り、1頭分を2枚にして加工し市場に流通させています。
半裁(牛1頭分を2枚取)にする理由として、牛(ホルスタイン牛)が大きく加工する各種の機械や作業する方々の負担を軽減する事や、革を使用する側(弊社など)も革を裁断する裁断機サイズに限度が有ります、半裁革を想定した機械を使用しています。
ちなみに海外の場合は概ね1頭分で流通させています。

革の選定

半裁革の中からソファに使用する各種パーツをまず裁断の為の型入れをして専用機の自動裁断機にて裁断します。
裁断後のパーツの隙間など有効活用する事でコースターやマウスパットに使用可能な部位、分部を取り出します。
この時のポイントとして気を付けている事は、硬めの部位(上記図の「3」(ベリー部)以外を使用します。
「3」はお腹回りで有り繊維が荒く柔らかい為、弊社では使用不可としています。
ちなみにこの部位は殆ど廃棄します。

「コースター・マウスパット」の製作工程に戻ります。
「2・4・5・6」の部位から革を選びます、この部位は比較的繊維の密度が有り、しっかり感が有ります。
「コースターもマウスパット」も革を2枚貼り合わせて両面を使用可能とし、仕上げは硬めとなります。

革の接着

選定が済めば、まず革の裏側全体に特殊「接着剤」を吹き付けます。
ムラなくタップリ吹き付けます(エアーガンを用いて行います)

マウスパッド・コースターの素材

貼り合わせする前に、両面使用の為、相性のいい色をセットします。
貼り合わせのポイントとして、接着剤を拭きつけて3~5分が絶好のタイミングで、早くても接着剤が乾燥するまではべとべとしている、遅くなると吹き付けた接着剤が乾燥して接着力無くなります。
後に2枚の革が剥がれない様しっかり押さえる事が一番気を付ける作業です。

型抜き

接着工程が済めば専用の打抜き機(クリッカーと言います)にて貼り合わせた革を切り抜きます、一気に切る事で切り口は実に綺麗です。

マウスパッド・コースターの型抜き

この機械は油圧式でプレス力は8トン、手を挟めばまずペッチャンコ状態に…頼もしい機械でもあり 怖い機械でも有ります。
商品に応じて専用の抜き型を準備します(専門会社に依頼)

コースター用の抜型

※写真は「コースター」の角型用と丸型用の抜き型です。
約90㎜角  Ф90㎜
この刃物は革を4枚重ねても一気に切れる鋭い刃物です。

革に刻印

また、「刻印」も各種準備しています、可愛くデフォルメした「十二支」や猫、梟など、更に福井が売り出し中の「恐竜」の刻印も準備。

商品にはブランドマークやイニシャル、ロゴマークなどを刻印する事で商品のおもむきが変わって来ます。
有名ブランド品もブランド名等を表示する事で人気が有ります。
(無印では販売力が無くなるかと思います)
OEM商品などはご依頼を受けた先様の「社名」や「ブランド名」
「ロゴ・キャラクター」など刻印を手配します。

刻印を行う工程は専用機を用います。
約200度まで温度を上げて、クッキリ革に跡が残るほどプレスします(数百キロの力で3秒間ほど押さえます)
「箔押し機」と言い、本来「金や銀」を用いて刻印しますが、弊社では単に熱だけでの刻印としています(高額になるため…)
温度と押す時間(秒数)及びプレス力で最適の仕上げになる様調整します、これらは経験から割り出します。

革の刻印

※箔押し機(刻印機)
この機械の特徴として、数百 数千個の商品に刻印する場合でも刻印を決めた場所に固定セットすれば単純にドンドン進められます。
この工程でコースターは完成します。(マウスパットもここまでは全く同じ工程で進めます)

完成

マウスパットは最終工程として革の小口部分(切り口)に専用の塗料を塗って完成します。

革のコースター

以上「コースターとマウスパット」製作工程の説明となります。同じような商品、または似たような商品をご検討されている方は是非ミスターレザーまでお問い合わせください。

ミスターレザーはコチラ!

 

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