10月12日より3日間、鯖江市の企業及び越前市、越前町の企業が加わり、各企業内の生産工程・風景など日頃目にする事のない所を見学、又は職人さんと一緒に「ワークショップ」として「ものづくり体験」を行う企画でスタートでした。
※弊社正面玄関:この企業も「RENEW」参加していますと言う意味の赤の水玉ポスターが目印、このポスターが有る会社は期間中、自由に訪問可能。
台風により初日は中止
ところが初日の12日は思わぬ横槍が入りました。
これまでに無く超大型な台風「19号」が日本本土を直撃すると言う、なんともタイミングの悪さです。
12日土曜日は急きょその影響を避けるべく中止案内が出ました。
案の定、雨風が強く自宅に居ながらでも不気味さを感じました。
北陸地区への直撃は有りませんでしたが関東・北関東に甚大な被害を残した「化物台風」で死者75名以上の犠牲を出しています。(2019年10月17時点)
日本の地形から列島の中央に高い山々が有り、通常は穏やかな川の流れも、一旦大雨を降らすと穏やかな川が激流と化し一気に下流に流れ込み、水以外に山林から木材なども一緒に流し、橋げたに掛かり橋を破壊、又堤防の決壊を引き起こし楽々とその濁流が堤防を越え住宅地に入り込む厄介な地形です。
被害を受けた方々に「負けるな・頑張れ」と激励するのみです。
15年前の福井豪雨で被災
実は私たちの会社も15年前「200年に一度」と言われる大雨の福井豪雨により社内に水が入り莫大な損害を発生させました、後片付けで大型トラック数台分の「がれき」を処理しました、その時石川県の仕入先の会社から十数名の方が後片付けのお手伝いに来て頂いた事を思いだします。
2004年の福井豪雨の様子 引用:福井新聞オンライン
今回も心温まるニュースが入りまして、ラグビーの「カナダの選手達」
が被害の有った家々、泥など後始末のお手伝いをしているニュースには頭が下がり、涙が出ました。
引用:ヤフーニュース
2日目以降は無事再開
「RENEW」の話題に戻ります。
12日は中止でしたが、翌13日(日)~14日(月)にかけ予定していた通り訪問された方達に対しショールームで弊社商品を見て頂き、座って頂き新しいソファの座り心地体験などして頂きました。
弊社本業のソファなど展示品を興味深く見ながら、その商品の特徴や購入先、手入れ方法など質問戴きました。
※ショールームの一角に革製品の展示販売を行い、製作の一部「ワークショップ」として体験コーナーも実施しました。
革製品をご自分で最終仕上げをする「ワークショップ」はお好きな色の革を選び、ご自分で説明通り加工し、更に専用の「刻印」12支(干支)の中から選ぶ方、また「恐竜の刻印」(3種類)が可愛いと言う事で選んで「刻印完了」時大変喜びの感動をしておりました。
また別な企画として400㎜角クッション作りをご自分で仕上げて戴く「ワークショップ」はソファ用布地の中から選んで頂き、準備した型紙を使い ご自分で裁断、縫製を行い、クッション製作を実施。
ご希望の方々に対し工場内をご案内し部材の原型、特殊機械などの説明を行い始めての体験でビックリ、感動された様子が伺えました。
※renew期間中の訪問者数(2日間)96名の方にお越し頂きました。
決していい天気ではなかったのにも関わらずわざわざお越しいただきありがとうございました。
社内は「木部製作工程」「ウレタン加工工程」「張地の特殊自動裁断機」
「裁断後の縫製作業」ウレタンを構造材に貼り付けた後「上張り」と言う工程でほぼ90%仕上りです。
その後「組立作業」と「最終商品検査」を終え「正面・側面・背面」の「写真撮影」を行い、すべての「写真データ」を残します、納品後のトラブル確認用です、更に弊社は全て受注生産で有る事の説明を行い、その「メリット」と「デメリット」など説明させて頂きました。
※メリット=商品在庫がゼロ デメリット=受注からお届けまでの期限が有る為出荷を遅らす事が絶対できないプレッシャーが大。
※ウレタンフォームの加工前の原反(幅約1300㎜x長さ2000㎜x高さ500㎜)
この原反を見られた方々はほぼ皆さんビックリします、まず一般には見られない原材料の姿です。
※ウレタン特殊加工機 上記原反を円形状の機械に載せ厚みと枚数を登録し自動的にカットする機械
この機械のカットサイズ精度は0.5㎜以下です(最大、ブロック原反3本まで載せて一気にカット可能)
ウレタンのカットは「カミソリのような刃物」を使い大きく回転させカットします。
この特殊な「刃物」はとても鋭い刃の為取扱いは慎重に行います。
ちなみにウレタンの種類は20種類以上ありそれぞれ部位毎に使い分けします、「シート」部は「硬め」で反発性の有るウレタンを使用し、「背」はややソフト感のある素材を使用します。
座り心地を重視する為ほとんど積層してベストな座り心地にします。
※木工加工風景(ソファの構造部分)
木工加工部門は主に12㎜国産ヒノキ100%合板を組み合わせソファ構造部分の製作を行います。
国産=岐阜県の山間に、10年ほど前、間伐材を合板にする目的で巨大な工場が建設され、杉材やヒノキ材の合板を製造しています。
商社を通じてここで製造する「ヒノキ合板」だけを購入します。
この会社で生産する「ヒノキ材合板」は約15%前後と聞いています。
東南アジアからの輸入合板は時には、その国の「政策価格」が発令されたり、材料の木材伐採禁止令が出たり、昔と異なり輸入が不安定、
価格も不安定、国内産合板はそれらの特殊な政策に振り回される事無く比較的安定した仕入が出来ています。
※岐阜県の山間にある合板製造会社外観・倉庫風景:2008年創業
社名:森の合板協同組合 年間生産枚数(19年3月期)287万枚
資料:森の合板協同組合HPより
又、弊社独特のスチール構造商品なども含め現物をお見せしながら来社された方々に細かくご説明させて頂きました。
多分この様な企画(renew)が無い限り工場をお見せし、ご説明する機会は有りません、年に一度のこの企画、今後 更に参加する企業が増え広がりを見せる事を願います。
福井県内の企業が「どの様なものをどの様に製造しているのか」知って頂く良い企画だと思います。
参加させて頂き感謝しております。