革の知識

革仕様ソファの作業工程(裁断~縫製)仕事の裏側特別にお見せします

ソファの製作工程の裏側

ソファ張地としては

  • 布地
  • 合皮ソフトレザー
  • 天然皮革

が有りそれぞれ特徴を持っています。

その中で天然皮革「牛の皮」について一部の作業工程を紹介します。

 

革と皮についておさらい

弊社使用の革「国内産・ホルスタイン」の皮を使用している事は初回のブログで紹介しました。

食肉として(国産牛)大量に食されていますが、その皮も大量に排出されています。
弊社使用の皮の「なめし加工」は兵庫県で加工されている物を使用しています。
革のサイズ、価格は「デシ」と言う表現で流通しています。
1デシ=10㎝x10㎝です、価格も1デシ○○円と言う単位で取引されます。

因みに革と皮の違いは

  • 皮=加工前の呼び名
  • 革=なめし加工後の呼び名

※革と皮の違いは以前に【牛革編】老舗ソファメーカーが解説する目から鱗な革知識!で解説しました。

 

日本とヨーロッパの加工法の違い

日本

牛一頭のサイズは「ホルスタイン」2歳程度で約500デシ~650デシ(1デシ=10㎝x10㎝)と大きいサイズで有り、国内では殆どが1頭を中央で半分に割り、約250デシ~320デシとなり、その後加工されています。
皮を半分にする理由として、大きな皮(5~600デシ)を加工するには大きな機械とスペースが必要となり、また革製品加工会社も同じで省スペースで商品製作する傾向が殆どです。

ヨーロッパ

ヨーロッパは逆に1頭分の大きな状態で加工され流通して行きます。
革の加工については歴史が有り、もともと1頭分を半部に分けて加工すると言う選択肢は無かったのだろうと思われます、ありのままの革加工技術が発展していった経緯があります。

ポイント

  • 日本では牛を半分で加工
  • ヨーロッパでは1頭分で加工

半分で加工するメリットは小回りがききやすく、1頭分で加工するメリットは大きなソファを作る際につなぎ目が少なくより美しい商品ができます。

 

裁断方法

10年以上前の事です、イタリアやドイツのソファメーカを何度か視察していますが大きな革を裁断する場合、数名の社員さんが作業台に広げた大きな革を自分の手元の手の届く範囲の革を型紙に合わせ電動鋏でカットすると言う作業光景を見たり、又規模の比較的大きな会社では、「クリッカー」と言う大きなプレス機を活用して革を抜き取っています。

革のプレス機「クリッカー」

上の写真の左側が「20トンクリッカー」で右側が「8トンクリッカー」。我が社に於いても大小2台のクリッカーを駆使して抜き取りの大きさにより使い分けています。(我が社では、革小物製作の「Mr leather」専用機として使用)

 

様々な抜型

事前にソファの各パーツ部分の型紙に合わせ、「鋼」で作った「抜き型」と言われる物で革の部位(傷や汚れの無い部分)を確認しながら
8トンから20トンと言うプレス機(クリッカー機)で一気に革を抜き取り、作業効率が良く又精度が非常に高く、パーツ毎に縫製する時にも狂いが無く作業者もストレスなく作業が進み、完成品は実に綺麗な仕上げとなります。

革の抜型

上の画像は鋼による様々な抜型。左側は角型コースター用、中央は丸型、右上はマウスパット用抜き型。

 

裁断機(キャド・キャム)

数年前よりソファ造りの為の裁断では、「キャド・キャム」を導入
3台のキャム(裁断機)内2台は革を裁断できる最新鋭の国産機です。

裁断機(キャド・キャム)

裁断機(キャド・キャム)

上の画像2つは弊社の革用の裁断機(キャド・キャム)。

昔ながらの作業スタイルから、より効率の良い機械化は今の時代積極的に取り組む事で、価格と品質のバランスの取れた商品が出来上がると考えています。

 

革すき

裁断が終了すると、パーツ毎に繋ぎ合わせ作業に入りますが、その前に一部のパーツの一部の部分、つまり縫い合わせする部分を約10㎜の幅で厚さを薄く削ります、元々1.5㎜程度の厚さの革厚を約1㎜程度まで専用の「革すき機」(写真)で削ります、これを「革をすく」と言います、この機械は国内で(多分)唯一のメーカが製造しています。

革すき機

弊社はこの機械を2台設置しており かなり頻繁に使用しています。

 

縫製工程

縫い易い厚さに剝き終わると、縫製工程入ります。
縫製では各パーツの縫い方など複雑な作業で正確性が求められます。どの社員でも確実な商品を作っていただきたいのですべて「マニュアル」を確認しながら作業を進めます。

革の縫製

 

張り工程、完成

縫製終了すれば最終工程にあたる、「張り工程」(木部にウレタンを取り付けたほぼソファの形になっている物)で縫製したものをスッポリ被せて形を整え、特殊な大きなホッチキスのような「エアータッカ」と言う機械で要所を固定します。
作業の都合上、座や背又は肘と言った各部位を最後に組み立て作業しソファとして完成します。

 

まとめ

ソファの作業工程まとめ

  • 「皮」は加工前「革」はなめし加工後で呼び名が違う
  • 日本は牛を「半分」加工し、ヨーロッパは「1頭分」から加工する
  • 効率化のため革をパーツ事に抜型でプレスして裁断している
  • 最新の裁断機(キャド・キャム)で大きな裁断を自動化
  • 革すき機で厚さ1mmまで薄くし、つなぎによる厚みを出ないようにしている
  • 徹底したマニュアル化で常に高品質な裁縫を行っている

おおまかにこういった工程を経て、ソファが出来上がっていっています。

 

このソファの技術を革小物へ

弊社は10年ほど前から、完全受注生産体制を取っています。
お客様から発注を頂いた商品のみ生産しています、約2~3週間で生産しご注文頂いた全国の家具店様に向けて出荷します。
少し戻りますが、革を裁断した際、各パーツを裁断した所に隙間が出ます、この隙間部分の革はまだまだ色々な革小物製作に十分活用できる綺麗な革も有ります。
そこで閃いた事がきっかけで、革小物を製作し有効活用を試みています。
所謂「端材」と言う呼び方をしますが、けっして端材としての位置付けではもったいない品質の革です。
近年本格的「革小物」の製作に取り組むべく日々研究しています。
今回は革の裁断関係を主に纏めました。

次回、「革小物 製作の工程」を紹介予定です。

革小物や革製品のオーダーメイド、OEMをご希望の方は是非弊社「ミスターレザー」にお問い合わせください。

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