牛革の種類と特徴
動物の革で一般に親しまれている「革」にもいろいろな動物の革が使用されています。
中でも一番親しまれている革として「牛」の革が有ります。
バックや靴、衣類にベルト、そしてソファ等多く使用されています。
特に欧米に於いては「動物の革」は古くから取り入れている事からその製法と仕上りにはとても魅力的な色、風合いのものが多くあります。
欧米では仕上りに妥協しない(価格面で妥協しない)事が多く特に色と風合いを重視して仕上げています。
国内の革メーカー(タンナー)も欧米に負けない様日々研究され魅力あふれる素材が誕生しています。
私達は特に、タッチ感(風合い)を重視しています。
直接肌に触れるソファの張地として革を使用する事で重要です。
国産ホルスタインの採用
弊社が使用している「牛の革」は主に東北・北海道地区で飼育された「ホルスタイン」の革を採用しています。
国内産と言う品質の安定、価格が為替の影響を受けないなど供給面で安心感が有ります。
牛革の名称
いわゆる革の鞣し加工は、兵庫県、姫路近辺の各タンナー会社が歴史ある工法で仕上げています。
牛が革として生かされる中での呼び名は次の通り
1、カーフ
生後6ヵ月以内の「仔牛の革」で乳牛種が大半、生後間もない為
キズなど少なく、革表面の滑らかで革の繊維も細かく柔らかい。
用途として、高級革製品の材料として最良。
2、キップ
生後6ヵ月から2年までの中牛の革を言う。
カーフ同様仔牛で有る為、表面のきめ細かさ、クズが少ない等
カーフと比べると滑らかさはやや落ちる物の、革厚が有り
強度面で汎用性が有り多く使用されている。
高級品の材料として手頃感が有る。
3、ステアハイド
生後2年以上が経ち、生後6ヵ月頃までに去勢された牡牛の革。
比較的厚みが均一でキズが少なく表面もきめ細やかでキップに近い
流通量が大く色々な革製品に活用されている、最もポピュラーな牛革。
4、カウハイド
生後2年を過ぎた牝牛、牡牛より柔らかさが有り、革製品の多くに
使用されている、比較的ポピュラーな素材。
補足
ホルスタイン牛のまだ「毛」のついた加工前のもの
最初に毛を脱毛する工程に入ります。
ホルスタイン牛は脱毛後の革色は白黒状態で無く、1色です。
脱毛は石灰乳を用いて行う
脱毛後は
- 分割作業」として皮を所定の厚さに「表面(銀面)と床皮」2層に分割する
- 「床皮」は、食用や工業用、医療用コラーゲンとして利用される。
銀面=表皮
床面=裏皮
銀面(表面)は再び石灰乳にてコラーゲン繊維を取り除きソフトな革にする為
の工程となる
なめし工程に入る時「クロムなめし」「タンニン鞣し」など仕上げの違いから
クロムなめしは酸性で行われる為、酸性溶液を用いて加工する。
なめし=鞣し
鞣し剤を皮に浸透させてコラーゲン繊維と結合させる事で
耐熱性、耐久性を与える、この工程で「皮から革」に変化する。
タンニンなめしは植物タンニンを用いて加工する。
革の水分を機械により絞り出す。
革の内側を削り一定の厚さに調整する。
※革の4方をしっかり固定しテンションを掛け皴など無きよう伸ばす工程。
ホルスタインの半裁革
背割りし1頭分で2枚の革に分けて加工し出荷する。海外は主に1頭分の大きな状態で加工し
出荷する。
日本は主に半裁革が流通、鞣し加工やその後の革製品をつくる
会社などでも大きな機械や大きなスペースを要する事で2枚にしている
欧米では加工機など大きな設備で加工している。
大きな革のメリットとして、歩留まりが良く大きな面積が必要なソファなどに適している。