革の知識

革の会社ってどうなの?革産業の実態を調査(世界とも比較)

日本の革と世界

以前にとある社員から、「革の会社って日本にどれくらいあるの?」と聞かれたことを思い出しました。実際に気になっている方もいらっしゃると思うので、今回は革の会社や産業について色々と解説していきます。

革関連の会社数

日本には革関連の会社がどの程度存在するのかちょっと調べました。

所謂「タンナー」(革の製造会社)、「革製品加工会社」含め革関連の会社は2011年の調査(経済産業省が委託した野村総合研究所調べ)で約1800社 携わる社員約23000人、売上約3,340億円。

おお!なるほど......。多分結構多いのでしょう。しかしながら数字だけを見ると多いのかどうか分からないので、別の国内産業と比較してみました。

 

他産業から見た革のランキング

国内産業に対し24位の最下位(1位~24位を区分けして調査結果)

「1事業の生産額ランク」

1位:石油関連

2位:化学関係

3位:情報関係

4位:輸送用機器関係

5位:鉄鋼業

22位:家具関係

23位:繊維関係

24位:革関係(なめし~革製品製造会社)

(残念ながら調査区分け内では最下位)

私の会社は家具製造ですが、22位と革業界は24位で今後奮起の必要なランクで残念です。

調査内容からのポイント

  • 「革産業」の規模は小さな企業構成である
  • 他産業と比較して1事業者当たりの生産額、社員数は最小
  • 社員一人当たりの生産額、賃金も繊維業界に次いで低い
  • 過去15年での推移として事業数が6割減、生産額が5割減
  • 国内の革製品需要は大きく変化していないが国内生産が落ち込んだ分、輸入品が増えた事で大きくダウンしていない、また合成皮革の開発も進み、革製品にくい込んで、国内の革産業がダウン
  • これらを見れば業界が厳しい状況下にある事が伺える。

また一般消費者は革の原産地に拘りが少なくあまり意識していない。

国内のタンナー技術レベルは非常に高く(色落ちのし難い加工法)

器用貧乏状態とも言われる

更に企業の減少で、革製作専用機メーカー、道具製造会社、機械のメンテナンス会社も減少しものづくりの根幹が揺らいでいる

 

革産業の現状(世界を比較)

調査は日本・イタリア・スペイン・トルコ・ドイツ・フランス・イギリス・ポルトガルを比較

8か国の分析

 

「総なめし数」

1:イタリア=692億円

2:スペイン=61億円

3:トルコ=48億円

5:日本=45億円

 

「革製品製造・履物類」

1:イタリア=1,340億円

2:スペイン=307億円

3:ポルトガル=199億円

4:ドイツ=166億円

5:日本=136億円

 

「革製品製造・バック類」

1:イタリア=607億円

2:フランス=218億円

3:日本=77億円

4:スペイン=63億円

上記数値を見ると「イタリア」は革産業で世界をリードしている事が分かる。

その要因として「タンナーと革製品メーカ」が密にコミュニケーションを取って日々進化させている。

タンナーが商品開発にチャレンジしタンナーと革製品メーカが対等な立場で、パートナーとして活動している。

これらが革産業の充実と発展を支えている要因と言える

日本には流通面の複雑さ(問屋機能など)が有りタンナーと製造会社の距離が有り切磋琢磨が薄いと思われる。

ヨーロッパでは、単なる「製造メーカの製品ブランド」で無く

「ライフスタイルブランド」と位置づけているのが国内と取り組みが違っていると言われる。

日本製品は品質・技術は良いが「マーケティング」が成功していないと言う。

日本の成功の可能性は、伝統と技術を融合させ、世界に向けて「発信力」を高める事が重要と纏めている。

以上は経済産業省が野村総合研究所に委託してまとめた「革産業」の実態である。

国内でも食の欧米化は進み、ますます美味しいお肉を食すようになり、その結果多くの革が排出されてくる、この革を無駄なく有効活用すべくまだまだ研究を怠らない事を肝に銘じたい。

 

 

 

 

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