革の知識

【5年間の苦労】ソファ作りとは違う革製品製作の難しさと今後の展望

革製品の難しさ

革商品を製作する事を決意して約5年が過ぎました、当初製作は簡単に考えており、見様見真似からスタートして来ました。
まず自分が使ってみたい物で しかも簡単に製作出来るものを選び、完成をイメージしながら、革の材質、色の選定をし手持ちの道具を用いてトライしていました。
手持ちの道具と言っても我が社にはソファを製作する時に使用する様な道具しか無く、例えばハサミやカッターナイフ、各種ミシン等はあっても、後で気づく別世界である小物製作の道具が色々ある事を知って来ました。

ミリ単位で変わる精度

ソファ造りは精度などやや無理がきく(例えば革カットで1㎜の誤差は全く仕上げに影響しない)小物製作では、繊細なカットが重要(大げさに言えば0.2㎜のカット誤差はアウト)縫製も直線で縫うのは当たり前ですが、ミシンの目数(メカズ)は1㎝で何針が綺麗かを想定しながら決めます、目数を多くする(細かくする)場合 小さな商品に適している、やや大きい商品は目数を粗目にする事で商品の特徴を強調、より綺麗に見えると考えながら作業しています

革の縫い目の粗さ

(ソファと革小物の縫い目の粗さの違い一例)

今後の展望

これまでの商品化できたアイテム数は約20点を超えていますが
マイペースな商品が中心でお客様のお声を反映して製作している物が少なく、これからの課題としています。
お客様のご依頼による商品製作で苦労する点として仕上がりのイメージや質感が納得して頂けるものか否か、これにつきます。

特に販売を目的にしての商品開発依頼は妥協を全く許さない事が普通であり、この点に大変気を使います。
本革の持つ手触り、強度面などを強調しデザインとマッチした質感を出す事が所謂「技術」であると思っています。

革製品を製作する中で高度な技術を要する商品として「財布や名刺入れ」などがあり「繊細な仕上げ」がその商品の命となります。
4年や5年の年数でベテランの革職人と肩を並べる事などあり得ませんが、先人たちの仕上げた商品をより多く拝見し、手に取って細かな部分まで見させて頂き製作の工程を想像し重要な仕上げポイントを研究する事を怠らない事が大切と痛感しています。

質感を出すと同時に大切な事として「デザイン」そして「価格」との「バランス」が良いものは評価が高くなります(売れ筋商品になります)

世界には有名な「ブランド」が沢山ありますが、そのブランドを支えている優れた職人はヨーロッパに沢山おられます。

自動車部品会社の社長が来社された時に力説されていた事であの「ルイビトン」のバックを同じ物10個並べ、ミシンの目数を数えてみたらその「ブランド力」凄さを感じられる、と言われていました。
つまり何十個製作しても、「ぶれない品質」も魅力の一つとして引き付ける力となる、と話されていた事が有ります。
従って最終仕上げ部分の「縫製はとても大事」と言う事でした。

10数年前イタリア出張時その一部を拝見した事が有りますが、革製の「靴職人」がコツコツと作業している所を見せて頂きました、如何にも職人と言う風格があり、自信を持って仕上げた靴を「どうだ」とばかりにその商品を自慢している姿が最近になって(革商品を製作する様になって…)その職人さんの意気込みを思い浮かべるようになっています。
その職人さんは(多分?)30年40年と長年修業し、努力してこられ自慢の商品を自信ありげに勧める事が出来るようになって来たと思います。

私は高々5年生ようやく製作の難しさを知り、お客様に満足して戴ける商品の提供はまだまだ出来ていないと思っています。
「謙虚さが有る事で進化が見込める」と友達が言ってくれますが
本当だろうか…(?)

福井県の恐竜商品とのコラボ

最近福井県の知名度アップになる事を目指した、お土産的な商品開発プロジェクトに参加しています。
特に福井県には世界3大恐竜博物館が有り(他はカナダと中国)その「恐竜」を前面に押し出した商品開発を目指し福井県の知名度を少しでも高めたいと言う目的のプロジェクトです。
その中に私も8月から毎月集合研修に参加しつつ目的に叶う物が果たしてできるか?役立つ商品が完成するのか甚だ疑問です…。

ただ先日プロジェクトメンバーで恐竜博物館に行き、お客様の「定点観測」を行って来ましたが「恐竜」に関して言えば、実に明快な事が有りました。
子供も大人も含め(特に子供は)男子は恐竜大好き、女子は恐々と言った光景を目にしました、年配の団体さんもほぼ同様、男性と女性は興味の持ちかたが違っていました。

女性の多くは「恐竜」には興味が無く、この「恐竜会館に来た」証として「スタンプ」を押しまくり、恐竜見学は無視状態でお土産のお菓子類を買い求めていました。
男性はおじいさんでもやはり大きな恐竜を見てはしゃいでいる姿が印象的でした。

福井県立恐竜博物館

(画像参照:福井県立恐竜博物館

今回会館を見学しての印象ではヒット商品作りは完全に万人向けではダメだろうと感じ、男女別の商品開発をどう進めるかが重要と言う自分なりの結論に至りました。
来館されたお客様がお土産としてお買い求める物の70%近くはお菓子類(食品類)と会館内の方の説明でした。
こんな中、何をヒット商品開発とするか?暗中模索状態に入った気がします。
気を取り直して「頑張るしかない」と思うようにしています。

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