弊社は創業が昭和25年で、既に70年を過ぎた会社です。
ソファ専門メーカとして、北陸・福井にて継続して来ました。
昭和30年代後半から、国内では高度成長の波が押し寄せ、「東京オリンピック開催や東海道新幹線の開通」とこれまでにない好景気に入って行きます。
住宅環境も「洋風化」が進み、人気となって行きます、弊社もその波に乗って徐々に企業拡大して来ました。
チョットしたキッカケで私もこの会社のお世話になりますが、入社当時に製作していた商品は「布張り・ビニールレザー張り」でした。

※入社当時の主力商品群(当時は「応接セット」と呼んでいました)
その後、時は流れます「30年程前」から「張地」に変化が出始めます。
当時、ソファに使用する「張地」は「布地」がほぼ90%他の「塩ビレザーと本革」が少々と言った比率でした。
新たな張地「ソフトレザー」との出会い
ある「家具の展示会」を視察に行った時、衝撃的な「新たなソファの張地」を目の当たりにしました。
それまでの張地「塩ビレザー」は表面が硬く、決して手触りの良い素材とは言えませんでした、またタバコの火などにより直ぐに「レザーに穴が開く」と言う欠点も有りました(火に弱い)。
展示会で目にした「新しい素材」として「北海道」のソファメーカが「手触りの良い」(当時としては)素材で、しかも「タバコなどチョッとした火にも強い」と言う「うたい文句で」強くアピールし、私を含め見学者をびっくりさせていました。
現在では展示会場等では有り得ない光景ですが、おもむろに煙草に火を付けその火のついたタバコをソファの上にそっと置き、10秒ほどそのままにし、タバコを持ち上げます、まったく「変化が見られないと言うパフォーマンス」でした、衝撃でした、何かトリックが有るのでは?
燃え難い物を表面に塗ってあるのでは?等質問が飛び交います。
これが新しい「ソフトレザー」の出現でした。
「第一化成」と言う会社が製作した新たな素材、商品名「フィヨーレ」と言うソファ用に開発された素材でした。
帰社後、すぐに「第一化成」にコンタクトを取り、交渉、採用と言う流れになります。
(私の「新しいもの好き」と言う性格がそうさせます…)
その後「第一化成」以外の各社が挙って、新素材の開発を進めます。
後は価格競争に中から、より条件の良い会社からの購入に流れます。
当時積極的に動き出したメーカとして「アキレス・東レ・クラレ他」等が有りました。
弊社はその後「アキレス」の開発の方と懇意にして頂けるようになり、更に新しい魅力ある素材開発に邁進します。
当時の「開発テーマ」として、「強度面とソフト製」を併せ持つ素材、さらにプラスαとして、「抗菌機能」を加えて頂き「アキレスの開発部長」に懸命に開発を促します。
その頃から「アキレス:開発部長」とは次第に懇意になって行きます。
挑戦すれば失敗もある
失敗も何点かありました。
「抗菌機能」と「マイナスイオン発生機能」を併せ持つ「全く新しい素材」が完成します。
「トルマリン」(和名:電気石)と言う「宝石の仲間」電磁波を防ぐと言われます。
単純な「ソフトレザー」で無く「特殊効能」を持つ「ソフトレザー」として張り切って大量生産します、3~5年後、その張地に問題発生
表面に「クラック現象」(ひび割れ現象)が多発して行きます、致命的です。
ほぼ同時に別のソフトレザーも開発に取り掛かります「光触媒・レザー」として「消臭機能」と「抗菌機能」に優れた素材として着目しました。
早朝のTV番組で「東京都内の地下鉄トイレが臭い」と言う苦情に対し、テスト的に「光触媒」の素材をトイレ内の蛍光灯に塗布した所、それまでの嫌な臭いが全くなくなったと言うニュースを見て、各社の開発担当を呼び、「光触媒入りソフトレザー・開発」を依頼します。
各社一気に研究を進めて頂けました。
これは各社「研究開発段階」で問題発生します。
「光触媒」は「無機質」(石やガラス類)には塗布しても何ら問題は無く、その効果は抜群、と言う評価でしたが、「有機物」に対しては、その「素材その物を簡単に侵してしまう」と言う事が判明し あえなく断念します。
諦めないことが成功につながる
そんな事でギブアップ出来ない性格で、次は慎重に「抗菌機能と強度とソフトなタッチ感」を併せ持つ「新たなソフトレザー開発」に取り組んでもらいます「アキレス」の開発部です。
申し入れてから何度も「アキレの本社開発部」にお邪魔し進捗を確認します。
約1年後、「私の考える素材」が完成します「サイアレザー」として売り出します。
これはさすが1年をかけた事で、見事に完成度の高い素材となりました。
それから15年、「品質上問題無く」未だに売れ続ける、「大成功品」となりました、「私の執念で完成した自慢の素材」です。
(私の執念を受けて下さった「アキレス」の開発担当者のおかげです)

※当時の「サイアレザー」のカラー一覧表
何事も失敗を恐れず、トライし続ける事の大切さを身に染みて体験しました、望み通りの「完成度の高い」素材が出来た事が今でも自慢です。
私は現在「ソフトレザー」で無く「ミスターレザー」と言う「ブランド」にて「革小物製作」に邁進しています。
「革小物製品」に魅力を感じ今暫く「革小物開発」を進め、新たな「舞台」を模索中です。