革の知識

ファブリック(布地)の基礎知識「布地の種類や織り方の名前」

今回、ソファに使用している「ファブリック:張地」(布地)の基礎知識です。

私達はこれまで、ソファに使用する布地の種類を「国内・外」と大変幅広く取り扱って来ました。
ソファ用の布地生産は専門メーカが有ります。

ソファ用に限らず、国内外にはそれぞれ特有の産地が有ります。
例えば:福井県の場合「洋服や着物の裏地」が得意です。
聴いた事が有るかも知れませんが「人絹」絹のようなタッチ感、光沢などが「絹」に似た(人工の素材)布地が得意なエリアです。

※第2次世界大戦中、福井市内や敦賀がアメリカによる爆撃が有りましたが、理由が有ります、当時福井では「絹織物」の産地として目を付けられたと言う事です。
絹織物で「パラシュート」を製造していた事で、「軍需産業」エリアと言う見方です。
同時に北陸では富山も空襲に遭っていますが、富山は重工業が多く、「軍需産業」が多く、狙い撃ちされたようです。

 

布地の種類

ソファの張地に戻ります。
布地の種類から、ワンポイントの特徴を説明します。

大きくは「天然素材・繊維」「化学繊維」に分かれます。

1:天然繊維

A:綿(コットン)

特徴

  • 柔らかな風合い
  • 吸湿性がよく乾きやすい
  • 静電気が起こり難い
  • ピリング(毛玉)が起きにくい

欠点

  • 縮みやすい
  • シワが寄りやすい

コットン材の張地はタッチ感が良い事からソファなどの「カバー材」としてよく使用しますが「伸縮性」(伸びが大きい為)に問題有り近年は避けています。

B:麻(リネン)

特徴

  • 強度が有る(強度は綿の約1,6倍)
  • さらりとした風合い
  • 光沢が有る
  • 吸湿性がよく乾きやすい
  • 日光やアイロンに耐え変質しにくい

欠点

  • 均一に染まりにくい
  • シワが寄りやすい
  • 縮みやすい

強度面では丈夫でソファ張地としては適していますが、弊社の場合カバーを「家庭での水洗い可能」を強調している事から、縮み率が5%以上ある為 採用を避けています。

C:羊毛(ウール)

特徴

  • 暖かく柔らかな風合い
  • 吸湿性と放湿性がある
  • 弾力性がある
  • シワになりにくい
  • 燃えにくい
  • 汚れにくい(水をはじく)
  • 染色が容易で色彩の幅がでる

欠点

  • 縮みやすい
  • ピリングになりやすい
  • 虫がつきやすい

ウールは高級感があり高級ソファには良く使用しています。
ただ縮み率が高い為カバーリングなどに使用しません。

2:「化学繊維」

A:ポリエステル(石油系が原料)

※現状、最も生産量の多い素材

特徴

  • 強度がある
  • シワになりにくい
  • 伸縮性:縮率1%~3%
  • 変色・劣化が起こりにくい
  • 吸湿性が少ない
  • 付加 加工がしやすい
  • 薬品に強い
  • カビや虫につよい

欠点

  • 静電気が起こりやすい
  • 汚れが付くと落ちにくい

弊社の場合、ソファ張地は殆ど「カバーリング」座や背のカバーをご自分で外し、自宅の「洗濯機」で洗う事を推奨しています。
クリーニング店での費用は「ソファ1本分」約8000円前後する場合があります、自宅で洗濯すれば「電気料・洗剤・水道水」等計算しても50円前後と大変お得、特に洗濯した後の「縮率」2%以内の素材を採用します、その事で「カバーを洗濯したら縮んで元に戻らない」と言う問題を無くしています。
ソファ・カバーリングタイプをご購入する場合「カバー地」の「縮率表示」をしっかり確認し自宅で洗濯可能か見極めも重要かと思います。
同業他社に先駆け、弊社の特徴として幅広くPRしています。

※近年、繊維加工の技術が向上し「ポリエステル」でもコットンの様な風合い、また見た目がウールの様に見える加工も出来ています。

B:レーヨン(人絹)(日本で発明された素材・木材パルプが原料

特徴

  • 光沢がある
  • 吸湿性がある
  • 染色性が良い
  • しっとりした風合い

欠点

  • 強度面で他の素材と比べ弱い
  • シワがつきやすい

ソファ用張地では「レーヨン100%」は ほぼ無く、いろいろな風合いを出す為、他の素材との組み合わせで使用しています。

その他「アクリル」は「発色性が良い素材」として、色々な素材と組み合わせて加工される事が有ります。

これらの糸を、「太く」したものや「細く」したもので「織り上がり」の雰囲気を変えたり「強度面」を重視したり、それぞれ工夫しながら各社、開発します。

※アクリル素材は発色性が良い事から「衣料」関係に使われる事が多いかも知れません。


※参考:ソファ用の張地=サンゲツカタログより


※参考:サンゲツカタログより2

※各社、「ソファ張地用カタログ」を作り、提案頂いております。

強度を重視する「ソファ用」の場合、糸は太目を使用します。
逆に「衣料関係」は風合い重視で細めの糸を使用する事が多くなります。
これらの糸を使用し「布地」にするにも、多種多様の織り方が有ります。

 

織り方の名前

織り方名(大きくは=織物と編み物が有ります)

先ず「織物」の色々を説明します。

1:平織

縦糸と横糸を1本ずつ交差させたもの

 

2:綾織

縦糸に対し横糸は2本をすくいながら交差させます
織り上がりは、斜めに畝が現れて見える組織。

 

3:朱子織

縦糸が横糸に対し何本も飛ばし交差点を少なくする事で「光沢」を出す織り方ですが、強度面で問題有り。

 

4:ジャガード織

縦糸と横糸を複雑に交差させる事で「絵柄」を表現する、「紋紙」と言う「型紙」を用いて柄織をつくります。


※ジャガード織=ソファ用に多く採用します、いろいろな「柄物」が可能な事から、「素材と色と柄」の組み合わせでとても素敵な張地になり大変好評です。弊社はこのタイプを大変多く採用しています。
弊社採用布の張地:約80%以上がこのタイプです。

その他:風通織・パイル織・ゴブラン織りなど多数あります。

 

次に「編物」の色々です。

 

1:横あみ

手編みで言えば「棒針」による編み方
ループが横方向に連続して出来る編物で時間のかかる編み方です、複雑でデザイン性の高いものに向いています(シームレス等)

2:経編

たて編みは手編みで言う「かぎ針による編み方」
用途は「自動車シート」「電車のシート」などに広く採用されています(強度面で優れています)

3:丸編み

円形状に編む機械で生産します、主に下着など「メリヤス」として採用されています。

その他:不織布

その他「不織布」近年、世界的に有名になっている「マスク」材が有名
「不織布」=文字通り、「織物で無い布地」ポリエステル等の細い「フィラメント」(極細の糸)を絡ませて布状にし、熱加工で平らにプレス仕上げします、大手各社24時間操業してします、安価な所がメリット(現在マスク用に引っ張りだこ)
不織布製造メーカには、三井化学・クラレ・ユニチカ・日清紡・ダイワボウ、等 100社以上あるようです、膨大な設備が必要為、大手企業が得意です。

 

最後に

「ソファの張地」として使用するもの以外にも触れましたが、布地の生産は国内に限らず、ヨーロッパ「イタリア・ベルギー」等 各国、特徴ある素材の企画製作を頑張っています、しかし最近は中国がヨーロッパの企画品を生産している事が多くなっていると言います。

昔からの「産地」と言う形が崩れ、価格効率の良い所に集中して来た事が、「産地の特徴」が無くなって来た悲しい現象の一つかと思います。

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