製作工程

新たな商品開発に向けて「技術面の鍛錬」による苦難

ミスターレザーの歩み

先回「カード収納ケース」について触れまして、試作を繰り返し、何とかほぼ完成状態に達しました。

その後、越前市「ふるさと納税:返礼品」に新たに追加採用して頂けました。

ふるさとチョイス 越前市の革カードケース

何度か商品開発に関する内容で「ブログ」を書きましたが、ものづくりをするうえで重要な課題が「新たな挑戦・商品開発」かな、と思っています。(挑戦し続ける事が重要…「継続は力なり」)
「開発」と言っても「商品の開発」だけでなく、技術面の「鍛錬」「技術開発」もそれにまして重要です。

今回のブログではこの技術面の鍛錬について画像を交えてお伝えしていきます。

一流品にするために

革小物で、いわゆる「一流品」は、「何が違うのか」と思いきや、一番ハッキリするのは「縫製の仕上げ」部分です。
専門的になりますが一流品は「縫製の仕上げ」が実に綺麗で一定の「目数」をキープしています(当然かも)
私が製作している物は「少々の歪み、目数違い」が発生します(一般の方が見ても多分わからない微妙な部分だと思いますが…)

革の新商品の製作工程
※有名ブランド品の縫製の一部分(私物:バック表示)

革の新商品の製作工程
※縫製時、真っすぐに縫えるように「ガイド」に合わせて走らせます。

革の新商品の製作工程
※ミシンの目数を調整するダイヤル(数値の大きい方は縫目間隔が大)

1人で企画開発し、試作し、完成内容を自己判定しても当然点数は甘くなりがちです(甘くしない為にお店などで販売中の他の一流品を多く拝見し自己研鑽しています)
それでも「革小物製作」を本格的に行うようになって3年が経ち、徐々に品質も安定し、皆様から評価頂けるようになり 少しずつ自信に繋がって来ています。
いわゆる職人は、お客様の声が一番励みになります、欠点や長所に関し率直に教えて頂くと(ショックと安堵が交錯)真剣に聞く事が出来ます。

革の新商品の製作工程
※写真は、国産バックメーカ品のサイド収納部分の縫製です、綺麗な並びです。歪みやミシン目のバラつきが有ると高級感が損なわれます。

普通に見れば何でもない部分ですが、実際に自分で作業すると、素材の選定、裁断方法、縫製方法(型紙つくりなど)接着方法など奥深い技術を克服して初めて販売可能な商品に生まれ変わります。
これまでどれだけの無駄?をした事か、大変な時間と素材を無駄にして来た為、これからは、納得するまで諦めないよう創意工夫するしか有りません。
(無駄=売り物にならないレベルの商品)

ソファ作りとの違い

私はこれまでソファ造りをしていましたが、ソファ製作に比べ革小物は使い手の方々が常に手に持って身近に接し隅々の細かな部分にも目が届きます。手抜きが出来ません。(手抜きはしませんが…)
※昔と違い老眼が進み 特に細かな部分の作業に難儀します。
その点ソファは縫製技術と共に「張り技術」(技能試験が有ります)
で仕上げの良し悪しを補う事が可能です。

※若かりし頃先輩から、「作業のミスを補えることが出来れば一人前の職人と言える」と言うアドバイスを受けた事がります、その点革小物製作上、ミスは殆ど補正不可能です。

技術向上のために役立っている機械を1つ紹介

革製品製作でいろいろな機械や道具が有ります、ミシンなどは共通出来ますが、革スキ機、革抜き機、刻印機、ホックやハトメなどの取り付け専用道具、変わった所で、商品名「ガチャンコ」と名前も変わっていますが、この道具は優れものです。
革の端(3~15㎜程度)の折り返しがこの道具で一瞬に、しかも綺麗に出来ます。

革の新商品の製作工程
※ガチャンコ=15㎜程度の分厚い鉄の板が土台としてあり写真上部の所に 革の端を差し込み折り曲げたいサイズにセットして一気にレバーを引きます。
実に綺麗に一直線に折り曲がります。(折り曲げたい部分の革を予め1/3程度に薄く剝いておきます)

今後取り組みたい商品は沢山ありますが、商品化したい物は「難度」が高く「技術力向上」を高める事が最重要と心得て、諦めず研鑽し、新たな商品開発に取り組む事を目指しています。

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