製作工程

【裁断前パーツ登録】社内革張りソファ製作シリーズ1

当サイトミスターレザーの大本は福井の老舗ソファメーカーマルイチセーリング株式会社です。ソファで使っている技術や新しく得た知識ノウハウを使ってミスターレザーとして革小物を中心にものづくりをしていますが、ソファ作りの技術について少しお話をします。

今回は、社内生産:革張りソファの各工程の責任者にインタビューをしてまとめてみました。(シリーズとしてこれから連載していく予定です。)

営業担当の意見などを組み入れた試作品が完成すれば、生産部にバトンタッチします、試作のメンバーが纏めた「マニュアル」にそって量産する為の準備が進みます。

データ化の作業

まず型紙(パターン)を一点一点「データ化」します。

ソファ革張りの裁断前データ登録
※専用のPCに「型紙」1点1点丁寧にミス無く登録開始です。

型紙(パターン)を専用の機械(スキャナー)で1点ずつ素早く取り込む事が出来ます。
真っすぐな型紙でも、円形やフリーハンド的ラインまで、この機械に通すだけで瞬時に読み込み完了します。

これから型紙(パターン)登録管理を実際担当している「田中君」が纏めた内容で進めます。

デザイン部・試作課が担当する試作品が完成すると、私の部門に役割が移ります。
商品別・アイテム別に型紙1点ずつ専用機にて読み込みを行います。
(上記のスキャン中の写真)

読み込む(型紙)数量はソファ1本分、少ないもので「40~50点」、多いもので「100点」を越えます。
アイテム違いの場合(アイテム=1人用・2人用・3人用ソファ)、ソファの「肘」などはほぼ「共通型紙」を使用します、その場合「共通型紙」として使用する為少々取り込み数を減らせます。

位置基準をつける

次に取り込まれた型紙の微調整作業になります。
裁断後の縫製作業に必要な「縫い合わせ基準」を見易くします。
1点毎パーツの縫い合わせ部分に「位置基準」の「ノッチポイント」(印し)を着けます。
この「ノッチポイント」は作業員が迷わず縫製作業を進める為には大変重要です。

取り込んだパーツ一点ずつに「どの部分なのか」記入します(画面上内容確認の為)

ソファ革張りの裁断前データ登録
※ノッチポイント(印し)をつけている作業

取り込まれた情報は、分かり易く、見易くする為、「商品別・アイテム別・部位別」更に革張り用は別に分類します、(革張りソファは1つのパーツを細かく剥ぎ合わせなど行う事から別に保管します)
このように分類する事が、後にアクシデントなど発生時、素早い対応が可能となり、かなり重要度の高い作業となります。
データ保存方法も含め、誰でも見易く、判断し易くする工夫です。

革の保管管理も

「田中君」の役割の中に加工前の「革 保管管理」も行います。
革の保管管理はなかなかデリケートで有り、多くの革を積み上げて保管すると「皴」を発生させてしまい、製品になった時に皴が目立つと商品価値が無くなります。
保管管理には創意工夫が必要で常により良い方法を試しています。
革の種類と色数が多く、在庫表示もより分かり易くする事、取り出し作業が簡単に、と気配りし工夫しています。

改善した後にどれだけ作業短縮につながったか?これまでと比較し、どの様に改善されたかを常に確認して実行しています。(田中談)

各工程に役割が有りますが若手の責任者は常に「品質向上」「コストダウン」を意識して頂いている事から安心して任せられる組織になって来ています。

次回「革の裁断」担当奮闘記を予定しています。

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