革の知識

コロナ禍の影響で「牛皮」の入荷に支障あり

世界にコロナ感染が拡大し始めて3年目になります。
色々な「物・事」に影響が出ています、原油の高騰、食品などの品不足からの価格高騰、と普通に生活していた時と比べ変化が大きく、生活の内容が大きく変化して来ています。

「余談ですが」2月になり「ロシア」の「ウクライナ侵攻」と言う世界を震撼させる、「人道上」考えられない事を巻き起こしている事が更に「原油高」に拍車をかける事態となって「ガソリンの値上げ」が大きく、「オイルショック」時と同様にパニック状態になっているようです。

またロシアの侵攻の影響から「小麦」関連の値上げも激しく、「値上げラッシュ」が続きます。
(ロシアが世界3位の小麦生産国、ウクライナは第7位も影響…外務省資料より)

コロナ渦は革仕入れにも影響が

私達の会社も困っています、「牛皮」の入荷が滞っています、「発注した革が入荷しない」入荷しても「品質のバラつき」が大きく、ソファを製作する立場では大変難儀しています。

「コロナ禍」のせいで、焼き肉店、レストラン等、「肉をメニューに入れ商売」しているお店など軒並み営業時間の短縮や休業される事から需要が大きく減っています。

お肉を食す機会が減って、「牛の出荷が激減」していると言う事で、「牛皮不足」に繋がります。
通常、「ソファ生産」に必要数の革を発注すると、1~2週間程度で入荷していたものが、今では発注から入荷まで「2カ月~待ちは普通」と言う異常な状態です。

弊社は「受注生産方式」の為 見込みで材料の手配はしておりません、その為お客様に大変ご迷惑をおかけしています。

通常と異なり「革」に関しては「見込み発注」は止む無く行っています。

入荷した革も発注数よりずい分少なく、また品質も劣ります。
(入荷数が少ない為「革メーカ」では「通常出荷しない革」まで出荷する事になります、結果これまで見た事の無い粗悪材も入荷します)

より良質な革で商品を作るための目利き

ソファ用に裁断する革はすべて、事前に担当者が目を通します。
「細かなキズのチェック」です、「些細なキズ」や「革の気になる部分」をマークします、その部分は出来るだけ使用しないよう注意しています。

この事態を乗り越える為、先日「革メーカ社長」にお越し頂き、「使用しても良い部分」「使用しない部分」の「見分け方のレクチャー」を受けました。


※右端の革メーカ社長から「具体的な部分の見分け方」をお聞きしています。

ここで勉強出来た事は「牛が飼育中に発生する問題個所」に関して「基本的に使用して下さい」と言い切ります。
皮の「鞣し加工中」「移動中」などで発生した「後キズは避けましょう」これらは「見分ける事は簡単です」と言う、正にその部分を見れば明らかに判断できます。
※ソファを「購入される側」からすれば「まったく綺麗な革」がベストでしょうが、そうすれば使用できない革の数量が増大し経営が成り立ちません。
何も問題無い革を求められる場合、価格を約3倍程度にすべきと言います。

国内の「大手有名なソファ生産会社」では、牛が飼育されている時に出来た「傷跡」などは、その部分を「写真で示し」理解をして戴いているようです。

下記の写真は飼育中に出来た問題個所の一部です「使用すべき部分」
(やや見難い画像です…)
① 「首筋等の皴」(首回りなどの皴の後)

② 「血筋」(血管あと)

③ 「バラキズ」(飼育中に発生するケガの後キズ)

④ 虫さされ部分(「アブ」によく刺されるようです)

その他、様々の「問題部位」が有ります。
お尻部分の「ややざらついた部位」「牛が座り込んで出来る皮膚の変化」人間で言う「膝などの皮膚」はザラザラです「他の皮膚」と明らかに「異なる皮膚」です、これと類似します。

結論的には、「自然に出来たキズ」や「変化している部位」に関しては、廃棄する事無く「積極的に使用すべき」と力説されて、その日の「レクチャー」は終了しました。

レクチャーでは理解できましたがお客様サイドで納得して戴ける様
「問題個所」を「事前通知」出来る様「写真などで具体的に示す工夫が必要」と言う結論としました。
更に弊社営業マン、お客様バイヤー:店員の方々への周知徹底が重要との結論になりました。

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